ネオンランプご使用の手引き          

 1.構 造

 ネオンランプとは、ガラス管内にネオンガスとアルゴンガスの混合ガスを封入し、一対の金属電極を用いて陰極グロー放電で発光させる、電子管の一種です。
アルゴンガスを混合するのは、ぺニング効果を利用してより低い放電開始電圧を得るためです。
また電極はニッケルまたは鉄を主体し、その表面にバリウムアザイドまたは酸化アルカリ土類金属を塗布することにより、安定した特性を発揮しております。
電極の間隔は、ガラス管内に封入されるガスの種類・圧力により異なりますが、パッシェンの法則によるV曲線の最低部になるよう、0.44〜1mmの間隔になるのが一般的です。



 2.放電開始電圧

 放電開始電圧はネオンランプの電極間隔・封入ガス圧などで異なりますが、当社のNE-2タイプは交流で約55V 以下で放電を開始します。
しかし同一のランプであっても、毎回の放電による電極表面の状況変化・外部からの光による陰極の光電子放射・管内の残留電荷などの影響により、測定の都度放電開始電圧に若干の差が生じる場合があります。
またランプの放電開始電圧は、交流の場合、電圧のピーク値にて放電開始をするので、正弦波交流と直流との関係は次のように考えられます。


                   直流放電開始電圧≒√2X交流放電開始電圧

なお直流でのご使用は110V以上をお勧め致します。



 3.放電維持電圧

 ネオンランプを正常グロー領域の放電を維持して使用すれば、ネオンランプの電極間の電圧は放電電流の変化にかかわらず一定に保たれています。
NE-2Hでは、0.3〜2.5mAと広い範囲での使用が可能であり、この時の放電維持電圧は交直共に約50V〜60V位であります。


 4.外部からの影響

 ネオンランプの放電開始電圧は、外部からの種々の条件により影響を受けます。
暗黒効果とは、ネオンランプを暗黒中におくと、明るい状態での数値より放電開始電圧が数ボルト〜十数ボルト以上も上昇し、また定格電圧で放電が数秒から数十秒以上も遅れます。
これは僅かでも明るい状態であればこの効果は認められなくなります。
ガンマ線などの放射線は暗黒中での放電開始電圧を低める効果があるので、暗黒効果対策として用いられる場合もありました。
しかし最近では環境汚染の影響を考え、放射性同位元素を使用しない方向に進んでいます。
静電界もまた放電開始電圧に影響を与え、ネオンランプに近接した静電界があると、正規の放電開始電圧より低い値で放電することがあります。
このためJIS規格では、ネオンランプ特性測定時に不必要な導体をネオンランプから15cm以内に近づけてはいけないと規定されております。


5.周囲温度の影響

 ネオンランプの放電開始電圧は、封入ガス圧と電極間隔の組合わせでパッシェンのV曲線の最低部にあるよう選ばれているため、多少の温度変化では何ら影響はありません。
しかし100゜C前後を越えるとガラス管壁より有害なガス放出等が起こり、特性を劣化させます。


6.周波数特性

 ネオンランプの放電開始電圧に対する電源の周波数の影響は、周波数が高くなるに従い放電開始電圧は高くなる傾向を示します。
具体的には、正弦波交流では50〜400Hz位までは大きな変化なく、それ以上の周波数になると順次上昇して20KHzで約15V位高くなります。
また電圧波形に影響を受け、波形率が悪くなる程に放電開始電圧は高くなる傾向にあります。
それは短形波に比べると三角波の場合の方がより高くなる傾向にあります。


7.ランプの内部抵抗

ネオンランプの構造使用状態などにより、簡単には表わせませんがNE-2Hでランプ電流2mAで約3KΩとなり、ランプ自体の静電容量は0.5pFと言われています。



8.スペクトル

 ネオンランプのスペクトルは、封入ガス圧・放電電流により多少の違いがあっても、その殆どはネオンガスの固有スペクトルと考えて差し支えなく、580〜750nmの範囲であります。


9.定格電圧以外の電圧での使用

 ネオンランプは放電開始電圧以上の電圧であれば、いかなる電圧でも使用出来ます。
ただし定格電圧と異なった電圧、特に定格電圧以上で使用する場合は、下記のように直列抵抗を計算して用いないとランプ電流が増加して極端な短寿命となることがあります。

ネオンランプを定格電圧以上で使用する場合
   (寿命は定格電圧と同じ時間とし、計算を簡単にするため放電維持電圧を55Vとする)

                                定格電圧−放電維持電圧  
            定格電圧でのランプ電流=     直  列  抵  抗       (mA)

                        
定格電圧以外での使用電圧−放電維持電圧      
      
定格電圧以外での直列抵抗=       定格電圧でのランプ電流    (KΩ)


10.明るさと寿命

 ネオンランプの明るさはランプ電流に比例し、同一のランプでも直列抵抗を変えてランプ電流を増やせば明るさも増加します。
しかしネオンランプの寿命はランプ電流比の約3乗に反比例するため、寿命は逆に短くなります。
具体的には、電流を2倍にすれば明るさは約2倍になり、寿命は約1/8となります。
また直流で点灯した場合は陰極側のみが発光し、寿命は交流点灯の時の約60%となります。


11.ご使用上の注意

(1)ネオンランプリード線の引張り強度について
  リード線のガラス封着部分にランプ軸方向の引張り力が加わりますと、リード線とガラス間にはく離を生じ空気モレの  危険性があります、
  0.98N以上の引張り力は避けて下さい。
(2)ネオンランプリード線の折曲げ強度について
  ガラスの性質上、圧縮力に強く、引張り力には弱いため、リード線引出し部分に引張り力が加わりますとガラス部にクラックを生じ空気モレの原因となることがあります。
  またリード線折曲げ強度は、リード線引出し部根元より直角に折曲げ、元に戻して1回とし、次に反対方向に繰り返して2回とした時、その強度は2回以上と設定されております。
(3)ネオンランプリード線根元部のハンダ付け性について
  リード線引出し部根元はガラス加工時の加熱により酸化し易くなっております。
  したがって他部に比し、ハンダ付け性も多少劣りますので根元より3mm以下でのハンダ付けお避け下さい。
(4)ランプの耐衝撃について
  ランプは放電開始電圧などの点からその電極間隔を0.4mm以上に作っておりますが、極度に強い衝撃を受けますと瞬間的な短絡を起こし、音響機器などの雑音の原因となります。
  また50G以上の衝撃は、電極がガラス管に触れるなどして特性に悪影響をもたらすこともありますので、お避け下さ  い。
(5)ネオンランプの直列・並列使用について
  ネオンランプは直列には使用出来ますが、この場合の放電開始電圧および放電維持電圧は個々のそれぞれの値の  総和となります。
  また並列使用は放電開始電圧に差がある場合、低い放電開始電圧のランプが放電すると、高い方のランプにはそれ  以上の電圧がかからないため、放電しません(電圧不足となってしまいます)。
  つまり、並列では基本的に使用できません。

(6)ネオンランプの定電圧特性について
  ネオンランプは、放電電流の変化に対し放電維持電圧の変化が少ないという特性があります。
  そのため定電圧用として用いられることもありますが、厳密な定電圧特性または標準電圧は期待出来ません。
(7)パルス回路での使用について
  パルス回路での使用は、ピーク電流が大きいので寿命が短くなります。


12.ランプホルダー設計について

ランプホルダーの設計に当たっては、下記の点にご注意下さい。
  (1)ランプ横方向(ガラス球径部)からの強い押さえを避けて下さい。
  (2)ランプチップ部を強く固定することは避けて下さい。
  (3)ランプはガラス製品であるためその寸法公差は、一般機械器具類に比し大きくなっておりますのでランプホルダー設計時には、寸法的に多少ゆとりを持たせるようにして下さい。


13.その他

 ランプを直接エポキシ樹脂系接着剤などで接着硬化させますと、ガラスにクラックを生じることなどがありますので、クッションを使用するなど直接の接着は避けるか、ゴム系接着剤の使用をお勧めします。


 また100Vで点灯させる表示灯にはLEDよりネオンランプがお勧めです。 詳しくはお問い合わせください。